石田国際特許事務所 株式会社イシックス
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【新興国への特許出願の件数】
 特許庁資料に基づく各種の報道によれば、日本企業の新興国における特許出願件数は、欧米勢に対し比較的に大きく引き離されているようです。
 例えば、南アフリカにおける2010年の特許出願件数は、首位の米国が全体の約30%を占めるのに対し、日本は7位で全体の約4%を占めるに過ぎません。またその間には、2位の南アフリカを除き、ドイツ(3位)、英国(4位)、スイス(5位)、フランス(6位)と欧州勢がランクインしています。
 また、比較的に日本勢が強そうである東南アジアでさえ、欧米勢の件数を超えたのは唯一2009年のタイだけのようです。
 件数のみによって各国の知的財産戦略の強さが全て顕わになるわけではありませんが、一つの目安にはなるでしょう。欧米勢は、新興国において知的財産戦略を強化する傾向にあると言い得、この傾向を如何様に考えるか問われてきつつあるように感じます。

【中国特許文献の日本国特許庁による分類】
報道によれば、経済産業省は、中国の特許文献を日本国特許庁独自のFIで分類する事業を始める、とのことです。また、そのために、2013年度予算の概算要求に20億円を計上するようです。
中国の特許出願件数は2011年で52万件と年々膨張しており、文献に基づく新規性や進歩性の判断が世界主義である以上、やはり中国の文献といえども当然無視するわけにはいきません。
しかしながら、中国の特許関連書類が4割程未翻訳の状況であるらしく、まずは翻訳完了率の改善が急務なのではないでしょうか。
ただ、多くの特許関連書類をどんどん翻訳するだけでは情報として使いづらいことも確かにあるので、翻訳と同時並行して分類作業を行うことは、予算額の是非はさておき、必要なことかもしれません。


商標権侵害訴訟

今月は、商標権侵害訴訟において、商標法に規定された権利濫用(準特104条の3)ではなく、民法の基本原則(1条)に規定された権利濫用の抗弁を認めた東京地裁平成22年(ワ)第11604号損害賠償請求事件について紹介します。

この事件は、Yが「グレイブガーデン」の名称を「墓地の提供」の役務に使用していたところ、第42類「墓地又は納骨堂の提供」を指定役務として「GRAVE GARDEN/グレイブガーデン」の商標について商標権を取得している個人X(宗教法人ではない)より損害賠償を求めて提訴されたというものです。しかし、個人であるXは墓埋法10条1項により「墓地又は納骨堂の提供」に係る業務を行うことは許されておらず、現に登録から11年もの間当該商標を使用したことがありませんでした。そこで、Yは、そのような権利に基づいて権利行使を行うのは権利濫用にあたるとの抗弁を行って争われたのが本事件です。
ところで、商標権の登録要件の中に、商標は使用するもの(又は使用する意思のあるもの)でなければならない(3条1項柱書)という要件があります。そして、この登録要件は無効理由(46条1項1号)となっておりますので、使用意思がないのに登録を受ければその登録は無効理由を含むものということになります。この点、裁判所は、Xは使用意思がないのに登録を受けた(つまり登録に無効理由がある)との認定をしています。
しかし、無効理由を含む登録であっても、既存の法律状態を尊重し維持する目的から、3条を根拠とする無効審判は、登録から5年を経過した後には請求できないことになっております(47条1項)。この期間を「除斥期間」といいますが、Xの登録はこの除斥期間を経過した権利であり、無効審判を請求してももはや無効にすることはできないものとなっておりました。商標法では、無効審判によって無効となるような権利に基づいて権利行使を行うことは権利濫用となることが規定されております(準特104条の3)。しかし、除斥期間を経過した権利については前記のとおり無効審判によっては無効にすることができませんので、過去の裁判では、除斥期間を経過している場合は特104条の3を根拠とした権利濫用の抗弁は認められないとされてきました(マッキントッシュ事件)。
一方、民法1条は、私権は公共の福祉に適合し(1項)、権利行使は信義誠実に行い(2項)、権利濫用は許さない(3項)ことを「基本原則」としています。結論から言えば、今回の裁判は、特104条の3の権利濫用ではなく、この民法上の権利濫用の法理を適用したのです。即ち、裁判所は、「権利濫用の成否は、当事者間において具体的に認められる諸般の事情を考慮して当該権利行使を認めることが正義に反するか否かの観点から総合的に判断されるべきもの」であるから「考慮され得る事情については、特段の制限が加えられるべきものではない。」との見解を示し、除斥期間が経過しているからといって無効理由の存在を考慮することに制限は加えることはできないとしてXの権利行使を認めませんでした。
除斥期間の経過を理由として無効の抗弁(特104条の3)を認めない先例があるところ、より広い民法上の見地から権利濫用の抗弁を認めたところに本裁判の意義があると言えるでしょう。

 
 
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