パテントコラム

2019年11月

【Topic.1】改正「意匠法」来春施行へ

(2019年10月10日 日本経済新聞)

「『デザイン経営』。企業経営の中枢に『デザイン開発』を位置づけ、企業の成長に活かしていく経営思想です。この「デザイン経営」を推進する施策として『意匠法』が新しくなります。」
これまでもお知らせしてきましたが、意匠法が大幅に改正され、令和2年4月1日に施行されることが決まりました。
改正内容は多々ありますが、主要な点は、まず意匠法の保護対象が拡大され、物品に記録・表示されていない画像や、建築物の外観・内装のデザインも保護の対象となります。また基本のデザインを改良した場合、一定期間に限り関連出願が可能ですが、今回の改正で出願期間が延長されます。また存続期間の延長、複数意匠出願など多くの注目すべき改正内容を含んでいます。

詳細は以下の特許庁のサイトをご覧下さい。
https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190301004/20190301004.html

【Topic.2】アマゾン、日本で偽物排除

(2019年10月10日 日本経済新聞)

「アマゾンジャパンは、日本で新たな模造品対策を始めたと発表した。任天堂やパナソニックなど25社と製品情報を共有し、人口知能などで模造品を自動的にはじく精度を上げる。」
アマゾンなどのサイトで出品される商品の中には模造品が多く含まれ、対策が問題となっていますが、アマゾンは独仏英国などで模造品対策として既に行っている「プロジェクトゼロ」を日本でも導入したとのことです。出品された商品を継続的にスキャンすることにより模造品の疑いがある商品を検知して排除し、またこのプロジェクトに参加する企業がサイト上で模造品(偽ブランド品)を発見した場合には,その商品情報を直接削除できるようにする、とのことです。
これまでインターネット上の模造品(知的財産権侵害品)に対して権利者は出品者に直接アプローチするか、アマゾンなどの運用者に対して、商品情報の削除を求め、運用者は一定事項を確認の上、削除するということがなされてきました。今回のプロジェクトにより、迅速な対策が可能になると思われます。
さらに楽天やヤフーなども、模造品の出品や購入者の被害を防ぐため、模造品検知や監視に力をいれているようです。
確かにインターネット上のマーケットサイトで出品される模造品の数は膨大で、監視や検知制度に期待するところは大ですが、購入者側も購入時に注意を払い、模造品は購入しない、との意識が重要だと思います。